飛蚊症の特徴

「飛蚊症」とは、視界に糸くずやゴミのようなものが飛んでいるように見える症状です。黒い点・埃・糸・もやっとした雲・砂嵐などのように表現され、視線を動かした時にはそれが一緒に移動します。

「光視症」とは、フラッシュのような光が主に視界の周辺部にチカチカと見える症状のことをいいます。片頭痛による閃輝暗点(両眼性に視界の中心でギザギザとした光がみえる)とは区別されます。

飛蚊症の原因

眼の中は、透明なゲル状の硝子体(しょうしたい)という物質で満たされています。老化によって硝子体が液状化し、網膜から硝子体が剥離(後部硝子体剥離)すると剥離した面が網膜に写ってみえる、あるいは、硝子体中の酸化した蛋白質や脂質などが網膜に写って見えることが、「飛蚊症」につながります。これだけれあれば、治療はなく経過をみていくことになります。

しかし、中には網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎といった、重大な病気が隠れていることがあります。網膜剥離や網膜裂孔の場合は、後部硝子体剥離によって網膜が引っ張られ、網膜に穴が開くもしくは剥離した際に、網膜深層の色素上皮細胞が、眼内にまき散らされることで、飛蚊症となります。

「光視症」の原因としては、網膜が硝子体を引っ張った際の刺激により、網膜が光が当たったのと同じ反応を網膜が起こし、光を感じる現象です。周りが明るい時にも起こっているはずですが、気づかないことが多く、夜中にトイレに立った時など周囲が暗い時に気づくことがあります。網膜剥離の前段階の症状ですが、他の原因でも起こりえるため、症状が出てきたときには、早めの眼底検査が勧められています。

どんな検査をするの?

眼底検査を行います。眼底検査とは、散瞳薬というひとみを広げる点眼薬を点眼し、20-30分後に眼球の奥の網膜や硝子体の状態を診察します。必要に応じて眼底カメラ、OCT(光干渉断層計)などを行います。

注意が必要な飛蚊症

下記のような症状の場合は、網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎などの可能性も疑われるため、早期の検査が推奨されています。
  • 黒い点や浮いているものの量もしくは大きさが増えた
  • 墨汁の様なものが垂れてくるように見えた
  • 視界の一部が黒く欠け、視野が狭くなっている
  • 急に視力が低下してきた

レーザー治療

診察にで網膜裂孔が見つかった場合には、網膜剥離進展の予防のため網膜光凝固術が必要になります。治療時間は、10分程度で日帰りで可能です。レーザー後に生活上の制限はありません。
料金:1割負担で1万6千円、3割負担円約5万円程度(健康保険)です。→当院「レーザー治療」ページへのリンク

手術治療

診察で「網膜剥離」が見つかった場合には、手術となることがあります。緊急性の高いことが多く、専門施設へご紹介いたします。

注意事項

眼底検査後は、散瞳薬により調節力が麻痺した状態(ぼんやり見える)が4-5時間続きます。当日は、車の運転はできません。