網膜レーザー治療とは?
網膜光凝固術は、レーザー装置を用い、特定の波長のレーザー光で病的な網膜を凝固させることにより、病気の進行を抑えます。通常10分程度の治療です。他の目の手術とは異なり、術後の生活制限などはありません。
適応
糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔、網膜剥離、網膜変性、網膜出血、網膜動脈瘤などの疾患で治療の適応となります。
治療方法
- ご来院後は、眼圧検査などの後、散瞳剤というひとみを開く目薬をして20-30分お待ちいただきます。
- 診察
- レーザー治療は、眼科で使用する治療台にお顔をのせていただき、目の上にコンタクトレンズをのせて、治療します。通常5分から10分程度の治療です。 レーザー照射中、一時的なまぶしさと目の奥に鈍痛を感じます。これは、目の奥で熱が発生することによるもので、これにより網膜の新生血管を予防したり、網膜剥離の場合は網膜が接着され、治療効果が生まれます。
- 治療後は、体調など確認後に少しお休みいただき、ご帰宅可能です。
レーザー後の注意事項
- レーザー直後は、強い光があたるため、しばらく見づらい状態が続きますが、徐々に回復します。また、散瞳薬により調節力が麻痺した状態(ぼんやり見える)が4-5時間続きます。
- 目の奥の鈍痛が、数時間から長くて2-3日感じる場合ありますが、徐々に治まります。
- 食事・入浴・運動など、日常生活の制限は特にありません。治療直後から可能です。硝子体出血など出血性の場合、アルコール、長時間の入浴、運動などはお控えください。
- 当日は、車の運転はできません。
術後診察
Q&A 網膜レーザー
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費用はどのくらいかかりますか?すべて保険対象となり、最終的な自己負担額は負担割合によって異なりますが、自己負担額は、15000円~50,000円程度です。民間の生命保険は、保険の種類によりますので、事前に保険会社へご確認ください。保険術式:網膜光凝固術 K-276
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時間はどのくらいですか?手術時間は通常5-10分です。ただし、事前の診察や散瞳剤の点眼などで、滞在時間は1時間半程度かかります。
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手術後すぐによく見えるようになりますか?術直後は、強い光が当たった影響によりしばらく片目見づらい状況となりますが、徐々に見え方は改善します。
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術後にしてはいけないことはありますか?レーザー治療では、術後の生活上の制限はありません。食事・運動・入浴など全て可能です。ただし、網膜剥離後の方や硝子体出血後の方は、安静を取る必要があります。診察の際に、お尋ねください。
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術後の診察はありますか?術翌日(または2-3日後)に診察に来ていただいております。その後は、通常の定期検診です。
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レーザーは1回やれば終わりですか?基本的には、一度で終了します。ただし、糖尿病網膜症で複数回照射したり、網膜剥離で追加の照射が必要になることもあります。
適応疾患~糖尿病網膜症(DMR)
糖尿病網膜症では、糖尿病により血糖値が上昇することで、血管が脆くなり、網膜出血、網膜白斑などを生じ、悪化すると無血管領域(網膜の血流が途絶え酸素不足になっている領域)が発生します。その無血管領域は、放置しておくと新生血管(脆くて大出血を起こしうる血管)が発生する温床になります。
無血管領域ができてしまった場合には、レーザー治療を行うことにより、網膜の虚血や低酸素の状態を改善し、新生血管の発生を予防できます。この治療は、あくまで網膜症の病勢を抑え、失明を予防することが目的で、視力を回復させるものではありません。
無血管領域から新生血管が発生し、硝子体出血となった場合、治療は硝子体手術となります。出血が少なくレーザー光が網膜に届く程度であれば、レーザー治療を繰り返すことで、硝子体出血を止めることも可能となる場合があります。
適応疾患~網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)
網膜中心静脈閉塞症(CRVO)や網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は、目の奥にある、網膜の動脈と静脈の交差部などに生じ、静脈の分岐部または主管部が血管閉塞を起こし、網膜出血と無血管野が生じます。レーザー治療により、無血管領域からの新生血管の発生を予防します。この治療は、あくまで網膜症の病勢を抑え、失明を予防することが目的で、視力を回復させるものではありません。
適応疾患~網膜裂孔・裂孔原性網膜剥離
飛蚊症が発症した時に生じうる網膜裂孔(網膜に開いた穴)は、そのままにしておくと、そこから網膜下に水が入りこんで網膜が剥がれ、網膜剥離になる危険があります。
網膜剥離になる前に、網膜裂孔の状態のうちに、その穴の周りをレーザーで焼き固めることが必要です。飛蚊症の症状を治す治療ではありませんが、網膜剥離を予防する重要な治療です。外来で当日に10分程度で完了できます。




