眼精疲労とは、慢性的な目の疲れ、眼痛、視力低下などの眼症状と、それらが原因となって、頭痛、めまい、吐き気などの全身症状を伴う状態をいいます。通常、目の疲れは、休息・睡眠など目を休める行為によって治癒することが多いのですが、眼精疲労は休んでも疲労が取れず、放置しておくと全身症状を起こすため、きちんとした治療が必要になります。
眼精疲労の症状
- 疲れ眼
- 視力低下
- 眼痛(眼の奥の痛み)
- 瞼のけいれん
- 充血
- 頭痛
- 吐き気
- 首や肩のこり
- めまい
眼精疲労のメカニズム
疲労のメカニズムとしては、肉体疲労(筋疲労)と精神疲労(神経系の疲労)の2つに分類されます。目に関する筋肉は、外眼筋、毛様体筋、瞳孔括約・散大筋がありますが、疲労につながるのは、輻輳(近くを見るときの作用)と毛様体筋(ピント調節を司る)の最大調節量の2/3以上を使用した場合と考えられています。また、神経系では、目で受容した情報を脳に届けるまでのシナプスに、高頻度にインパルスが伝えられ、神経伝達物質の枯渇することが疲労のメカニズムと考えられています。
眼精疲労の原因
長時間のパソコン・スマホ作業
手元や細かいものを見るとき、人間の目は遠方にあったピントを緊張により近くへと調節し、2つの眼の相対的な位置(眼位)を外眼筋の作用により寄り目にします。この緊張が長く続くことで、過度の負担が目と目の周囲の筋肉にかかり、眼精疲労を引き起こします。
スマホ老眼
スマホ老眼とは、スマートフォンなどの使用により、ピントが近くに固まったままとなり、遠方の視力が一時的に低下することを言います。仮性近視とも呼ばれます。これは、20-30代の若年者に増加傾向です。
VDT症候群
VDT症候群とは、PCやスマートフォン(Visual Display Terminals)を長時間連続して使用することによって、眼精疲労だけでなく、身体的疲労などの症状がみられることです。
メガネやコンタクトレンズが合っていない
古いメガネやコンタクトを合っていないまま使用している方は、無理に物を見ようとし調節筋に負担がかかり、眼精疲労の原因となります。
ドライアイ
ドライアイでは、眼が乾燥すると、かすみ眼や、ゴロゴロする・シバシバ・しょぼしょぼするなどの症状が現れます。長時間のパソコン作業では、集中により自然と瞬きの回数が減少し、ドライアイ症状を引き起こします。また職場の環境がエアコンの影響により乾燥していることが多く、特に冬場にドライアイを発症している方も増えています。これが、眼精疲労の原因となります。
神経性
ストレス・不安神経症・うつなどが原因となり、自律神経の働きが崩れることで、疲れ眼・肩こり・頭痛といった眼精疲労の症状を引き起こします。また、外傷後のむちうち症などの、急激な頸部過伸展により調節異常を生じ、眼精疲労の原因となることがあります。
斜視
間歇性外斜視や斜位がある場合、眼位を保つために輻輳が必要になり、眼精疲労が起きるがあります。
眼精疲労の治療
点眼治療
シアノコバラミンの点眼・メコバラミン内服。
ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素です。肩こり、腰痛、神経痛、手足のしびれ(しびれ感)への効能を持ち、点眼薬では、ピント調節筋のコリをほぐす効果が期待されます。化学的にはメチルコバラミン(メコバラミン)は光により分解され、ヒドロキソコバラミンなどに変化してしまいます。そのため、遮光での保管が必要になり、容器やシートも遮光タイプになっています。一方で、シアノコバラミンは光に対して安定的であり、例えばサンコバ点眼液は、特に遮光保存は必要ありません。
ビタミンB12は、赤血球の形成を助け、また、神経機能を正常に保つために重要な栄養素です。肩こり、腰痛、神経痛、手足のしびれ(しびれ感)への効能を持ち、点眼薬では、ピント調節筋のコリをほぐす効果が期待されます。化学的にはメチルコバラミン(メコバラミン)は光により分解され、ヒドロキソコバラミンなどに変化してしまいます。そのため、遮光での保管が必要になり、容器やシートも遮光タイプになっています。一方で、シアノコバラミンは光に対して安定的であり、例えばサンコバ点眼液は、特に遮光保存は必要ありません。
適切な眼鏡・コンタクト処方
度数のずれたメガネやコンタクトの使用により、目に過度な負担をかけていることがあります。また、老眼の進行具合によって、現在のメガネを再調整する必要があります。
温罨法(おんあんぽう)
温罨法とは、目の周囲を温めることによって、血行を良くしたり、涙の成分となる脂の分泌を改善させる作用があります。ドライアイや眼周囲の筋肉の疲労が原因である場合に有効です。
全身的な疲労回復
睡眠・休息をしっかりとることにより、全身疲労の症状と一緒に、眼精疲労の症状が軽快する場合があります。