飛蚊症（ひぶんしょう）・光視症とは？
飛蚊症とは、視界に糸くずやゴミのようなものが飛んでいるように見える症状です。黒い点・埃・糸・もやっとした雲・砂嵐などのように表現され、視線を動かした時にはそれが一緒に移動します。目を動かしても、動かない固定された点や影であれば、飛蚊症の可能性は低くなります。
光視症とは、フラッシュのような光が、主に視界の周辺部にチカチカと見える症状のことをいいます。目を動かした時に誘発されるものであれば、光視症の可能性が高くなります。大きな光のギザギザが視界の中心に見える閃輝暗点は、主に片頭痛など脳の血流が原因で起こるものです。これは、両目に出現し、目を閉じていても見えることが多いです。
飛蚊症の見え方の例
飛蚊症の見え方は様々で、上記の図のように、黒い点・ひも状・糸状・もや・ミジンコ様・髪の毛・墨汁を垂らした様などと表現されます。
飛蚊症の原因
飛蚊症の原因は、目の奥の空間にある硝子体中の濁りが浮遊して見えることによるものです。多くは、加齢に伴う変化である後部硝子体剥離により、硝子体が収縮し、硝子体と網膜の境目ができることで、硝子体面等が移って見えること原因となります。先天的な硝子体の濁りにより、幼少期から症状を持っている方もいます。また、硝子体が星のように濁る星状硝子体症の方もいます。
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◎硝子体の混濁
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◎後部硝子体剥離
しかし、中には網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血、ぶどう膜炎といった、重大な病気が隠れていることがあります。網膜剥離や網膜裂孔の場合は、後部硝子体剥離によって網膜が引っ張られ、網膜に穴が開いたり剥離したりして、網膜深層の色素上皮細胞が、眼内にまき散らされることで、飛蚊症となります。
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◎網膜裂孔・網膜剥離
光視症の原因としては、網膜が硝子体を引っ張った際の刺激により、網膜が光が当たったのと似た反応を網膜が起こし、光を感じる現象です。周りが明るいときは気づかないことが多く、暗い時、夜中にトイレに立った時などに気づくことがあります。網膜裂孔や網膜剥離の前兆であることもあり、症状が出てきた際は、早めの眼底検査が勧められます。
どんな検査をするの？
眼底検査を行います。眼底検査とは、散瞳薬というひとみを広げる点眼薬を点眼し、２０－３０分後に眼球の奥の網膜や硝子体の状態を診察します。必要に応じて眼底カメラなどを行います。
注意が必要な飛蚊症
- 黒い点や浮いているものの量もしくは大きさが増えた
- 墨汁の様なものが垂れてくるように見えた
- 視界の一部が黒く欠け、視野が狭くなっている
- 急に視力が低下してきた
- 頻度が多い光視症
レーザー治療
料金（健康保険適応）：1割負担で1万6千円、3割負担円約5万円程度です。→当院「レーザー治療」ページへのリンク
手術治療
レーザー後の注意事項
- レーザー直後は、光線の影響により、しばらくは片目のみ見えづらさを感じますが、しばらくすると回復します。また、散瞳薬により調節力が麻痺した状態（ぼんやり見える）が４－５時間続きます。
- レーザー中は、目の奥で熱が発生するため、鈍痛があります。まれに、違和感が数時間から数日続く方がいらっしゃいますが、徐々に改善します。
- 洗顔・洗髪・入浴などは可能です。（網膜出血・硝子体出血がある場合は、長時間の入浴やアルコールなどはお控えください。）
- 当日はお車の運転はお控えください。
閃輝暗点
- 閃輝暗点とは、視覚に関連する一時的な神経学的症状で、主に片頭痛の前兆として発生します。この現象は、視界の一部がキラキラしたり、ギザギザした模様に見えたりする特徴的な視覚障害として現れます。通常、両目に現れ、目を閉じていても症状が出ているのが特徴です。
- 原因は、大脳皮質性拡延性抑制という大脳皮質の一過性の機能低下によって引き起こされると考えられています。この現象は、視覚を司る後頭葉から始まり、大脳皮質全体に波及していきます。
- 一般的な引き金には、ストレスや睡眠不足、特定の食べ物（チョコレートなど）、アルコール（特にワイン）などがあります。
- 治療は、根本的にはありませんが、予防薬・頓服薬があります。まずは、原因を回避することが重要です。