単焦点眼内レンズは、最も一般的に使用されるレンズで、ピントは1か所に合い、鮮明に見えます。手術前にご相談の上、ピントの位置を「遠方」~「中間」~「近方」の中から1か所に設定する必要があります。
白内障手術で使用する眼内レンズは、多くの白内障手術で使用される保険適応の単焦点眼内レンズと、自費で使用される選定療養の多焦点眼内レンズがあります。
単焦点眼内レンズ
「遠方」に合わせる場合
- もともと遠視の方、もともとは近視だが遠方重視にしたい方に主に適応。
- 大部分の生活はメガネなしでできることが多い。
- 近くを見るときはメガネが必要となることが多い。
- 残余乱視がある場合はメガネで矯正する必要がある。
- 運転や観劇、スポーツ観戦などはメガネが必要なこともある。
「中間」に合わせる場合
- もともと軽度の近視や、もともと近視の方に主に適応。
- 主に家の中では、裸眼で過ごせることが多い。
- 外出時や遠くのテレビ視聴など、遠方視でメガネが必要なこともある。
- 新聞など小さな字を近くで見える場合はメガネが必要なことがある。
- 左右の度数を少しずらし、両目での見え方の範囲を広げる方法もある(マイクロモノビジョン)。
「近方」に合わせる場合
- もともと近視の方に主に適応。
- 近方(主に30㎝)が裸眼で見える。
- 中間~遠方はメガネもしくはコンタクトが必要。
- 常にメガネもしくはコンタクトを使用する生活となることが多い。
多焦点眼内レンズとは?
多焦点眼内レンズは、遠方から中間~近方までピントが合い、眼鏡を使用する頻度を低減できるレンズです。費用は、保険適応の手術費用に加え、別途眼内レンズの費用がかかります。詳しくはこちらをご覧ください。
見え方のメリットは大きいものの、夜間の光の散乱や鮮明さの低下などデメリットがある点や、年齢や性格、白内障以外の他の疾患の除外など必要があり、慎重に選択する必要があります。
単焦点レンズと多焦点レンズの見え方の違い
1.単焦点レンズ
◇遠くに合わせた場合の例。近くを見るには眼鏡が必要。
◇近くに合わせた場合は、遠用の眼鏡が必要。
◇近くに合わせた場合は、遠用の眼鏡が必要。
2.多焦点レンズ
◇見える距離は遠中近の視力が期待できる。
◇スポーツや趣味で眼鏡を使う頻度が低減。
◇スポーツや趣味で眼鏡を使う頻度が低減。
| 単焦点 (保険) |
多焦点(自費) | ||
|---|---|---|---|
| 単焦点 | 焦点深度 拡張型 (EDOF) |
3焦点 | |
| 遠方 | ◎ | ◎ | 〇 |
| 近方 | × | △ (中間まで) |
〇 |
| ハロー・グレア (異常光視症・夜間光視症) |
なし | なし~△ | あり |
| コントラスト感度低下 | なし | なし~△ | あり |
当院で扱う単焦点眼内レンズ
TECNIS®OptiBlue®IOL(テクニスオプティブルー)
- 最も一般的に使用されている単焦点レンズ。
- 焦点を一か所に集中させるため、鮮明に見える。
- ピントの位置は「遠く」~「中間」~「近く」の1か所に設定。
- それ以外の位置では、眼鏡が必要なことが多い。
- 眼鏡を使用することに抵抗がなく、よりクリアに見たい方に適する。
TECNIS EYHANCE™ IOL(テクニスアイハンス)
- 特殊な構造により、従来の単焦点レンズより見える範囲を広げたレンズ
- 遠くははっきり見たいが、中間あたりも多少の見やすさを求める方に適する。
- 焦点を1か所に集中させる単焦点レンズよりは見え方の質は低下する。
- 保険適応レンズであり、費用負担が少ない。
- 比較的若年者に適応しやすい
TECNIS EYHANCE™ IOL TORICⅡ(テクニスアイハンス乱視用)
- 上記の特長に加え、乱視を軽減することができる
当院で使用する多焦点眼内レンズ(選定療養)
テクニスピュアシー(TECNIS PureSee)焦点深度拡張型(EDOF)レンズ
- 遠方〜中間(70㎝程度まで)にピントが合う
- 近方は3焦点レンズに比べ弱く、眼鏡が必要になる
- 夜間の光の滲み(グレア・ハロー)、コントラストの低下が大幅に軽減
- 乱視矯正あり
クラレオンビビティ(Clareon Vivity)焦点深度拡張型(EDOF)レンズ
- 遠方〜中間(60㎝程度まで)にピントが合う
- 近方は3焦点レンズに比べ弱く、眼鏡が必要になる
- 夜間の光の滲み(グレア・ハロー)、コントラストの低下が大幅に軽減
- 乱視矯正あり
テクニスオデッセイ(TECNIS Odyssey)回折型3焦点レンズ
- 遠方、中間(約60cm)、近方(約40㎝)の3焦点にピントが合う
- 夜間の光の滲みがある。
- 見え方の質(コントラスト感度)の低下
- 夜間の運転する方や、はっきりと見たい方には不適。
- 乱視矯正あり
クラレオンパンオプティクス(Clareon PanOptix)回折型3焦点レンズ
- 遠方、中間(約60cm)、近方(約40㎝)の3焦点にピントが合う
- 夜間の光の滲みがある。
- 見え方の質(コントラスト感度)の低下
- 夜間の運転する方や、はっきりと見たい方には不適。
- 乱視矯正あり


