当院では、網膜静脈閉塞症・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性などの網膜疾患に対する硝子体注射を行っており、網膜硝子体専門医が治療いたします。

ゆがみや見えづらさが気になる方、他院で診断をお受けになり紹介状お持ちの方、今まで遠方の病院で治療されており近くで治療希望の方なども、当院までお気軽にご相談ください。

硝子体注射とは?

硝子体注射は、糖尿病網膜症(黄斑浮腫)、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)、近視性脈絡膜新生血管(myopic CNV)に対する治療法で、抗VEGF薬を硝子体内に投与する方法です。抗VEGF(Vascular Endothelial Growth Factor)とは、炎症性物質であるVEGFに対する抗体で、薬剤を直接を目に注射することで、眼内の炎症や浮腫、脈絡膜新生血管の成長をおさえます。

薬剤の種類

抗VEGFは、治療効果が高く、上記疾患の第一選択薬です。日本国内で保険治療として認可されている抗VEGF薬は、ルセンティス®、アイリーア®、アイリーア8mg、ベオビュ®、バビースモ®、ラニビズマブ、アフリベルセプトです。

注射方法

注射は、清潔なクリーンルーム内で行います。当日は、受付から会計まで約1-2時間かかります。
  • 点眼による麻酔をします。
  • 電動ベッドで仰向けになります。
  • 消毒の上、開瞼器を取り付けます。
  • 注射を行います。
  • 時間は1分以内で、大きな痛みはありません。(個人差あり)
  • 治療後は、すぐにご帰宅可能です。

注射日前後の注意事項

前日まで

前日までの注意点は特にありません。

当日(朝から注射まで)

当日は、目の周りの化粧などは控えていただいた上で、ご来院ください。事前の点眼などは不要です。

当日(注射後)

◇注射後は、片目のみガーゼを貼ってご帰宅となります。ガーゼは、帰宅後にご自身でお外し下さい。
◇感染症予防のため、当日は、洗髪・洗顔は控えてください。

翌日以降

◇翌朝からは洗髪や洗顔は可能です。
◇術後の感染予防の点眼を1週間していただきます。
◇翌日(もしくは数日後)に、診察があります。
◇注射の刺入部の白目が赤くなる場合があります。長くても1週間程度で改善します。
◇注射後2-3日間黒い泡が見える場合がありますが、問題ありません、

合併症

  • ごくまれに、感染症(眼内炎)があります。当院では、クリーンルームで治療を行い、感染には十分な配慮を行っています。予防のため、注射後1週間は、抗菌剤の点眼を行ってください。
  • ごくまれに、眼圧上昇、網膜出血、硝子体出血、網膜剥離などの可能性があります。

保険治療費

注射当日に、1回の注射で8000円~40000円程度の費用がかかります。高額療養費制度が適用される場合がありますので、詳細はお尋ねください。

Q&A 硝子体注射・抗VEGF薬

  • 費用はどのくらいかかりますか?
    すべて保険対象となり、最終的な自己負担額は負担割合によって異なりますが、自己負担額は、8,000円~40,000円程度です。民間の生命保険は、保険の種類によりますので、事前に保険会社へご確認ください。保険術式:G016 硝子体内注射
  • 時間はどのくらいですか?
    手術時間は通常1分未満です。ただし、事前の診察や散瞳剤の点眼などで、滞在時間は1時間半程度かかります。
  • 手術後すぐによく見えるようになりますか?
    術直後は、薬剤が注入される関係で、もやっとして見えづらいことが多いです。徐々に見え方は改善します。
    浮腫などの改善は、早くて翌日から、1-2週間かけて効果が出てきます。
  • 術後にしてはいけないことはありますか?
    術当日は、感染予防のため、洗顔・洗髪・激しい運動・車の運転などは控えていただいてます。首下の入浴は可能です。食事などの制限はありません。翌日からは、全て可能です。
  • 術後の診察はありますか?
    術翌日(または2-3日後)に診察に来ていただいております。その後は、通常の定期検診です。
  • 注射は1回やれば終わりですか?
    硝子体注射は、1回で終わることももちろんありますが、病勢により複数回続ける必要があることが大半です。疾患の種類によりますが、月1回を3か月間投与し、その後は様子をながら注射する方法と、1回目の注射し、その後状況をみながら注射する方法(PRN投与)があります。

適応疾患~糖尿病黄斑浮腫(DME)

適応

糖尿病に罹患されている方で、網膜に出血などの病変は出現した場合、糖尿病網膜症と診断されます。糖尿病網膜症では、網膜内の血管から水分が漏出し、物を見る中心である黄斑部に浮腫を認めることがあります。視力低下や歪みの症状につながります。OCTによる画像診断で、のう胞様黄斑浮腫、漿液性網膜剥離、網膜膨化などを認め、視力低下がある場合に、抗VEGF硝子体注射の良い適応となります。

  • 皮質白内障

  • 皮質白内障

治療経過

糖尿病網膜症の初期である単純網膜症から増殖網膜症のどのステージにおいても、黄斑浮腫は起こりえます。注射回数は、単回で終わることもあれば、注射が効きにくい難治性の場合は複数回に及びます。病勢が弱い場合は、早期に治療することで、視力低下をある程度予防できます。逆に病勢が強い場合は、治療は長期化することもあり、治療が遅れると視力低下や歪みが残存する場合がありますので、早期の診断治療が重要です。治療中に、網膜全体の炎症や硝子体出血を抑えるための、汎網膜光凝固(PRP)や毛細血管瘤凝固などのレーザー治療を併用することもあります。

適応疾患~網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)

適応

BRVOまたはCRVOを認め、黄斑浮腫を伴う場合に適応です。OCT検査で、のう胞様黄斑浮腫、漿液性網膜剥離、網膜膨化などを認め、視力低下がある場合に良い適応となります。

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)

  • 皮質白内障

  • 皮質白内障

網膜中心静脈閉塞症(CRVO)

  • 皮質白内障

  • 皮質白内障

治療経過

網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)は、出血の範囲が小さい場合は、数回の治療で改善する場合があります。反対に、網膜中心静脈閉塞症(CRVO)の比較的病勢が強い例では、病状が長期化しやすく、沈静化するまでに数年かかることもあります。こちらも、早期診断・早期治療が重要となります。網膜に虚血領域を認める場合には、レーザー(網膜光凝固)治療を行います。レーザー治療により、数か月後に起こりうる硝子体出血や眼圧の上昇を予防します。

適応疾患~加齢黄斑変性(AMD)

適応

滲出性AMD、PCV、黄斑下出血、病変部が中心下窩(subfovea)などで適応になります。

  • 皮質白内障

  • 皮質白内障

治療経過

加齢黄斑変性では、新生血管を退縮させるまで、注射回数は複数回にわたる場合もあります。治療せず放置した場合は、新生血管からの出血につながり、急激な視力低下が起こる可能性があります。そのため、加齢黄斑変性では、硝子体注射により新生血管を退縮させ、視力の悪化を予防することが非常に重要となります。治療開始時に既に進行したい症例では、大幅な視力改善は難しいこともあります。

適応疾患~近視性脈絡膜新生血管(mCNV)

網膜の外側にある脈絡膜から、網膜色素上皮に異常な血管が生えることを脈絡膜新生血管と呼び、近視が基にある場合を近視性脈絡膜新生血管(CNV)と呼びます。脈絡膜新生血管は、正常な血管とは異なり脆く、血液の成分が漏れたり、出血を起こしたりして、視力低下を来たします。